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2025.08.06 知育コラム

脳科学で見るイヤイヤ期ー親子のストレスが減る関わり方のヒント

「魔の2歳児」「悪魔の3歳児」…

何を言っても「イヤ!」、道端で寝転がって大泣き。
昨日まで大好きだったはずのバナナを突然「いらない!」と突き返す。

こどものイヤイヤ期に直面し、途方に暮れたり、
つい感情的に怒ってしまって自己嫌悪に陥ったり…
そんな経験をしている保護者の方は多いのではないでしょうか。

しかし、この一見大変な「イヤイヤ期」は、
こどもの脳が順調に成長し、自我が芽生えている何よりの証拠なのです。

この記事では、脳科学の視点からイヤイヤ期の「なんで?」を解き明かし、
親子のストレスがふっと軽くなる関わり方のヒントを具体的にお伝えします。

 

イヤイヤ期の正体は、脳の成長が引き起こす
「自分」のはじまり

これまで「ママと自分は一心同体」だと思っていた子どもが、
「自分」という存在に気づき始めるのが1歳半から2歳頃。
これが、イヤイヤ期、いわゆる「第一次反抗期」のスタートです。

この時期のこどもの脳の中では、2つの大きな変化が起きています。


脳科学ポイント①
感情のアクセル全開!思考のブレーキはまだ工事中


私たちの脳には、感情を司る「大脳辺縁系」と思考や理性を司る「前頭前野」があります。

こどもはこの時期、自分の「やりたい!」という気持ち(感情)が爆発的に育ちます。
しかし、その感情をコントロールする「前頭前野」はまだ発達の途中。

車で例えるなら、アクセルはどんどん踏めるのに、
ブレーキのかけ方がまだ分からない状態です。

そのため、「おもちゃが欲しい!」「まだ帰りたくない!」
という強い感情を抑えることができず、
「イヤ!」という言葉やかんしゃくで表現してしまうのです。


脳科学ポイント②
「やりたい!」気持ちと「言えない」言葉のアンバランス


大人のように「今は公園で遊びたい気分だから、家に帰りたくないんだ」と、
自分の気持ちを整理して言葉にするのは、こどもにとって非常に難しいことです。

「こうしたい!」という強い意志はあるのに、
それを伝える語彙力や表現力が追いつかない。

このもどかしさが、すべての感情を「イヤ!」という一言で表現させてしまう大きな原因の一つです。

決して、あなたを困らせるために「イヤ!」と言っているわけではありません。
むしろ、「自分の気持ちを分かってほしい!」という心の叫びなのです。
 

なぜ親はストレスを感じる?「自分のせいかも」と悩まなくていい

理由が分かっていても、毎日続くと親だって疲れてしまいます。
「自分のしつけが悪いのかな…」
「周りの目が気になる…」

そうやって自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
しかし、イヤイヤ期は脳の発達段階による、誰もが通る道です。
あなたのせいでは決してありません。
まずは「これは成長の証なんだ」と捉え、少しだけ肩の力を抜いてみましょう。
 

今日からできるストレスを減らす5つの関わり方

大変な時期を乗り切るためには、少しの知識とコツが有効です。
脳の仕組みを理解した上で、以下の5つの関わり方を試してみてください。

1. こどもの「翻訳者」になる(共感と代弁)

こどもの「イヤ!」の裏には、必ず「〇〇したかった」という気持ちが隠されています。
その気持ちを親が汲み取り、
「そっか、まだ遊びたかったんだね」
「眠たかったんだね、イヤだったね」
言葉にして代弁してあげましょう。
自分の気持ちを理解してもらえたと感じることで、
子どもの心は落ち着きを取り戻しやすくなります。


2. 「舵取り役」になる(選択肢の提示)

「自分で決めたい」という気持ちを尊重してあげましょう。
「お風呂に入るよ!」と命令するのではなく、
「お風呂とごはん、どっちを先にする?」
子どもに選択権を与えます
「青い服と赤い服、どっちを着る?」
と聞けば、自分で選んだという満足感から、
すんなりと次の行動に移れることがあります。


3. 「予報士」になる(見通しを伝える)

大好きな遊びを突然中断させられるのは、子どもにとって大きなストレスです。
「この時計の長い針が『6』のところに来たら、公園を出ようね」
というように、終わりの時間を事前に予告してあげましょう。
見通しが立つことで、子どもは心の準備をすることができ、切り替えがスムーズになります。


4. 「環境デザイナー」になる(火種を減らす)

そもそも「イヤ!」が起こりにくい環境を整えるのも一つの手です。
触られたくない大事なものは、子どもの手の届かない場所に移動させておきましょう。
買い物に行く前には、
「今日は牛乳とにんじんだけ買うよ。お菓子は買わないお約束ね」
と伝えておくなど、物理的・心理的な火種を減らす工夫が有効です。


5. 「安全基地」になる(クールダウンを見守る)

どうしてもかんしゃくが収まらない時もあります。
そんな時は、危険がないことを確認した上で、
少しだけ離れてどもの感情の嵐が過ぎ去るのを見守るのも一つの方法です。
そして、少し落ち着いたら「悲しかったね」と優しく抱きしめてあげてください。
「どんなあなたでも大好きだよ」というメッセージが伝わることが、
子どもの心の安定、そして「非認知能力」の土台を育みます。

 

イヤイヤ期は、子どもの脳と心が「自分」という存在を確立するために、
ものすごいエネルギーを使って成長している大切な時期です。

完璧に対応しようと頑張りすぎなくて大丈夫。
「みんなちがって、みんないい」のですから。

親自身が深呼吸して心に余裕を持つことが、結果的に子どもの心を健やかに育みます。

ぜひ、今回ご紹介したヒントを試しながら、お子様だけの成長物語を、温かい目で見守ってあげてくださいね!


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